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2018-03-19

3/31に一旦閉館!京都みなみ会館で映画×ライブの対バンイベント「Match-up Theater」を観てきた

3月末で一旦閉館することになっている京都みなみ会館へ行ってきました。

学生時代は毎日電車で東寺を通過していたのに実は1度もみなみ会館には足を踏み入れたことはなく、社会人になってからも映画鑑賞1回とフリーペーパーでエリア紹介企画のための取材に1回訪れたのみ。なんですが、京都で一番古いらしいこの映画館が姿を変えるのは寂しい。

ちなみにここで観た映画はイングマール・ベルイマンの遺作となった『サラバンド』でした。たまたまCSでやってたベルイマン作品『ファニーとアレクサンデル』が好きで、もうずいぶんおじいちゃんらしいし新作なんて作らないんだろうと思ってたのにまさかの新作。しかも近くで上映。すっ飛んで行きましたとも。はじめから終わりまでずっと嗚咽しておりました。2006年くらいの出来事です。仕事をやめちゃってどうしようか途方にくれている頃で、映画の中に出てくるいろいろな人生がいちいち心に刺さったのでした。まわりの人は迷惑だったかもしれないんですが、作品およびダメな人生に向き合うにはちょうどいいサイズの映画館だったのかもしれません。

映画とライブの対バンイベント「Match-up Theater」

観に来たのはこちら。「Match-up Theater」というイベントです。

-チケット好評発売中- 映画との対バン⁈LIVEとの2本立て⁈ 閉館を目前に控えた京都みなみ会館にて、 outside yoshino、曽我部恵一、向井秀徳、 渡辺俊美、照井利幸、5組の音楽家をゲストに迎え、 映画上映+映画館LIVE[60分]の特別イベントを開催! 🎞 ◆Match-up Theater(マッチアップ劇場)◆ 🎞 日程:3/10(土)・11(日)・15(木)・17(土)・18(日) 🎞 3/10(土)~勧酒一献の宴~ 上映作品:『幕末太陽傳 デジタル修復版』(川島雄三) LIVE[60分]:outside yoshino(eastern youth) 🎞 3/11(日)~全身音楽家×全身芸人 激突!大レース~ 上映作品:『唐獅子株式会社』(曽根中生) LIVE[60分]:曽我部恵一(サニーデイ・サービス) 🎞 3/15(木)~西九条すらっぐふぇすと~ 上映作品:『アンチェイン』(豊田利晃) LIVE[60分]:向井秀徳アコースティック&エレクトリック 🎞 3/17(土)~What’s up, Emmet Ray?~ 上映作品:『ギター弾きの恋』(ウディ・アレン) LIVE[60分]:渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET) 🎞 3/18(日)~Time for a new direction~ 上映作品:『アメリカの影』(ジョン・カサヴェテス) LIVE[60分]:照井利幸(ex. BLANKEY JET CITY) 🎞 各チケットは、劇場窓口・チケットぴあにてお買い求め頂けます。詳細は、京都みなみ会館075-661-3993まで! 🎞 #outsideyoshino #easternyouth #幕末太陽傳 #曽我部恵一 #サニーデイサービス #唐獅子株式会社 #向井秀徳 #zazenboys #アンチェイン #渡辺俊美 #tokyono1soulset #ギター弾きの恋 #照井利幸 #blankeyjetcity #アメリカの影 #京都みなみ会館 #映画館 #ミニシアター #音楽 #ライブ

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映画とミュージシャンのライブが1つに!なんて豪華なメンツ!どの日程もめっちゃ魅力的だったんですが、なかなか日があわず結局最終日に当日券で滑り込みました。

映画は『アメリカの影』、ライブは元BLANKY JET CITY(ブランキー・ジェット・シティ略してBJC)のベーシスト・照井利幸。並んでいるお客さんは革ジャン率高め。革ジャンじゃない人も心なしか気合の入ったファッションの方が多かった気がします。

映画『アメリカの影』

最初に映画『アメリカの影』。1959年上映のアメリカ映画で、白人と黒人の混血である3兄妹の物語です。みなみ会館の作品解説ページによると公式ページには、「ジョン・カサヴェテス監督のデビュー作となったインディペンデント映画の金字塔。」との解説が。仕事干されそうになってる歌手の兄、お兄ちゃんからお金をせびって酒飲んだり女の子ひっかけたりとかするダメ次男、すごく魅力的でモテるけどまだイマイチ世間がわかってないかんじの妹。それぞれの佇まいがかっこよかった。

歌手なのにストリップ小屋の司会をやらされることになって激昂する兄。マネージャーとモメる兄。頭からっぽそうな歌手の女の子の集団。悪友とマンハッタンの街を歩き回る次男。悪友と3人連れ立って美術館に行って、お尻がバキュンな裸婦像みてニヤニヤして終わる次男。白人男性と結ばれるも、浮かない顔の妹。人種の壁であっけなく関係が壊れてしまう妹。ダンスに誘われた黒人男性を散々待たせて困らせる妹。まとまりのないようにも思えるストーリーがかえって一つずつのシーンを際立たせていたようにも思います。

劇中に友達付き合いしたい人が一人もでてこなかったのもいい。ほとんど即興というセリフまわしも(英語わからないけど)臨場感があっていい。全体的にすごくザラザラした質感で、随所で流れてくるジャズがやけに迫力があってそれも素晴らしかったです。とても見応えがありました。

照井利幸(ex. BLANKY JET CITY)ライブ

映画の上映後、15分ほど休憩があってライブ。照井さん、BJCの時はタトゥーでオールバックでいかついイメージだったのですが、現れたのは優しい雰囲気のナイスミドル。思わず自分の脳内のアー写を探してしまいました。ライブはほとんど全く喋らず、観客席もあんまり見ず、ひたすらアコギを鳴らし続けるスタイル。ツイッターを観てると「BJCとは真逆の音楽をやっていると思った」という評価もあったんですが、私の耳だと「わあ、めっちゃブランキー!」という感想(笑)。すごく静かではあるけど、繰り返されるフレーズとか物語のようにどんどん進んでいくかんじとか。とてもBJC的であり、映画的だと思いました。

最後の曲になってやっと照井さんが顔をあげて、「静かに聴いてくれてありがとう。とても緊張します・・・(笑)」って話してやっと場内がすごく緊張してたことに気づきました。そういえば、自分もずっとギターのほうしかみない照井さんのことずっと見てたわ・・・。映画にとても影響を受けて音楽を作っていること、秋に公開される『泣き虫しょったんの奇跡』の音楽を手がけたことなどなどのMC後、最後の曲で締め。すごーく安らかな寝息が後ろから聞こえてきたりしたけど、それも含めて映画館らしいライブでとても素敵でした!

館内の様子

扉が気になる。サインがびっしり書いてある扉もあったのにそれは撮り忘れ・・・。

廊下には過去の上映案内がびっしり。「こんな作品もやってたんだ!」とか「これ観たなあ」などと感慨にふけるのもよし。私は「もっと何回も来ておけばよかった!」。

何事も、大事なことは最後の最後に、あるいはもっと後になって気づいてしまいますね。最後の最後に気づいてよかったのかも。移転後はもっと行こう。3月31日まではまだまだいろいろ面白いことをされるようなので、お時間の許す限りぜひとも足を運ぶべき!

京都みなみ会館

URL/ http://kyoto-minamikaikan.jp/

 

 

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