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2018-12-10

奈良公園で毎日1トンの鹿フンを掃除!「ならまち糞虫館」でフンコロガシの美しさを知る

奈良といえば外せないのは奈良公園。奈良公園といえば鹿。奈良を訪れる人はとにかく鹿がお好きですね。かく言う私も鹿は決して嫌いではなく、噛まれたことや立派な角でどつかれたことがあっても、こうしていい鹿を見かけると写真を撮りためてしまいます。

こちらは春の写真。日頃の整理が足りておらず、こういう時に限っていい鹿写真がでてこないのは口惜しいところですが、奈良公園を歩けば鹿がいる。鹿がいれば写真を撮る。これは宇宙の法則です。

観光客と野生の(ココ重要)鹿がそれなりに仲良く過ごしている。それが奈良公園。※でも気さくになでたりしないほうがいいと思うんですけどね、個人的には。

さて、奈良ユーザーには常識かと思うのですが、奈良公園にはそれなりの量の鹿フンが落ちています。しかし、鹿フンが絨毯になるほどひどい有様には決してならず、それなのに鹿フンを片付けている人を見た者は一人もいない。一体なぜか。「糞虫(ふんちゅう)」が鹿フンを食べて綺麗に片付けてくれるからです。そんな親切で尊い虫に向かってクソとはひでぇ言いようですが、いわゆるスカラベ、フンコロガシのことですね。彼らは動物の糞を食べるコガネムシの仲間なのだそうです。奈良公園には糞虫がたくさん生息していて、鹿フンを食べることで奈良公園をクリーンに保ってくれています。鹿が草を食べてフンをし、糞虫がフンを食べて土の栄養分を作り、その栄養をもとに草が生える…なんてよくできた環境でしょうか。

前置きが長くなりました。今日の本題は、その糞虫を愛しすぎる素敵な博物館に行ってきたというお話です。

路地にひっそり佇む「ならまち糞虫館」

今年7月、ならまちの路地にひっそりオープンした「ならまち糞虫館」。あまりにもニッチなジャンルの私設博物館として新聞やネットニュースでずいぶん話題になってましたね。ずっと気になっていたのを、11月になってやっと行ってきました。

古い建物が並ぶ住宅地にでてくる小さいながらも目立つ看板。

開館は土日のみ。この路地っぷりに怯むなかれ!

路地をずんずん進むとでてきます。11月の土曜日、入口には来訪者の靴がズラズラっと。

靴を脱いで中に入ると白い空間。入館料は大人300円、子供100円。

オシャレなジュエリーショップか、あるいは現代アートのギャラリーか?

否。展示されているのはすべて糞虫なのである!採集した日と種類が手書き!

展示スペースに置いてあるLEDライトで照らしてみると、キラキラと美しい色に輝きます。

アクリルケースに入ったこちらは奈良公園で採集されたオオセンチコガネ。館内の説明書きによると、オオセンチコガネは日本各地で見られる糞虫なのですが、奈良公園で生息しているものだけが瑠璃色に輝き「ルリセンチコガネ」とも呼ばれているんだそうです。

奈良公園を中心とする日本の糞虫のほか、世界中から集められた糞虫標本がズラーリ。ケシ粒みたいな小さいのから、カブトムシみたいにでかくて立派な角があるものまで、色や形がバラエティに富んでますね!

館長さんが「まだ分類できてなくて置いてるだけのスペースなんですよー」とご案内くださった奥のスペースにもまだまだたくさん。虫に対する愛や知識が不足している私のようなアラフォーも十分楽しめました!

オリジナルグッズのTシャツや、シンプルなデザインが逆に気合を感じるパンフレットも置いてました。Tシャツはまたの機会にして、パンフレットもらって帰ってきました。

糞虫が好きすぎたためにお堅いお仕事を早期退職してこの事業をスタートしたという館長さんのほとばしる情熱と愛をバシバシ感じられるパンフレットです。素晴らしい。

館長さんはとても真面目で気さくで温厚。「糞虫の集団を一度奈良公園で見つけたことがあるんですが、動きが気持ち悪くて…」と冗談抜きに大失言をした私を悲しい目で見つめながらもとても温かくおもてなししてくださいました。本当にごめんなさい……。鹿フンの山に立ち向かう糞虫たちの健気な働き、今思えば最高にかっこいいのに……。

館内には小さなお子様連れのファミリーもたくさん。昆虫好きはもちろん、動いているのは苦手という方も楽しめると思います。奈良公園へご来訪の際は鹿だけではなく糞虫や糞虫館にもどうぞご注目くださいね!

ならまち糞虫館

奈良市南城戸町28-13

営業時間/土曜13:00~18:00、日曜13:00~18:00

https://www.hunchukan.jp/

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