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2018-06-26

大阪で地震があった日、なぜか腰痛に。#日々が泡々

その日は少しだけ早く起きて、珍しいねって家族に言われた。

睡眠過多で家族の中では一番遅く起きてくるのだからしょうがない。前日、甥っ子と遊んでちょっと興奮が残ってるのかなと笑っていた。そしたら地震がきた。ドンと下から何かが追突してきて、すぐに引っ込められたかんじ。ぐらんぐらん揺れて、何もできなかった。テレビは少し遅れて緊急地震速報を流した。「おそっ」って自分でも呆れるくらい冷静にツッコミを入れた。テーブルに隠れるか迷ってる間に父は避難リュックをもってきて「揺れがきついから外にでよう」と言った。「動けへんわ」と私と母は返した。呆れるくらい冷静なように思えた。全然、そうではなかったけど。

自室は本棚から少し本が落ちていたくらいでなんともなかった。ものが多いのに奇跡だ。本棚に突っ張り棒いれてよかった。他の部屋もわりと無事だった。あんなに揺れたのに。

避難リュックって、何を入れたらよかったんだっけ。自分のリュックに何入ってたっけ。

いつも寝てるベッドの下からリュックを取り出し、懐中電灯がつくかどうかたしかめ、劣化したゴム手袋を捨てた。Kindleに入れてあった「東京防災」をスマホにもう一度ダウンロードしなおした(無料でダウンロードできるし東京以外の人にも役に立つからおすすめです)。空になったペットボトルをかき集めて水を入れた。

大阪の友人にLINEを入れた。1人は電車に缶詰になってた。東京の友人からLINEがきた。Twitterからもいくつか心配してくれるリプライがとんできた。大丈夫って返した。

少し落ち着いたら買い物にでて、必要なものを買わなくちゃ。そわそわしながら、家の1階と2階を何度も往復していた。そうしてるうちに、なぜか腰が痛くなってきた。

Facebookは次々に「無事です」と友達の報告があがってきてた。お昼ご飯を食べ終わるころには、座っても立っても腰が痛くて、階段はとくに辛かった。しょうもないことに、特にまだ何もしてないのに腰を痛めた。家族には気の毒がられながら笑われた。まあ、そらそうか。私も誰かがこうなったら笑うわ多分。

週半ばに校了予定の原稿校正が2件残っていた。京都の取材先に連絡を入れようかずいぶん迷って、電車が動き始めた昼すぎにメールをしてみた。返事は夜以降に1件、翌日1件。今になってみるとわざわざその日にやらなくてもよかったように思うのだが、「今日躊躇して明日もっと状況が悪くなったら」といてもたってもいられなかったのだ。腰が痛いとあまりまともな判断ができなくなるようだ。

高校生の頃からたまにお世話になる整形外科に連れて行ってもらった。レントゲンをとったら腰のS字カーブがまったくなくなってて、まっすぐにしてたつもりなのに右にがくっと傾いてた。「うーん、いわゆるぎっくり腰みたいなやつやね。骨と骨との間がややせまいけど、年寄りのなるやつとは違うね。治るのは2週間。注射打ったら明日は今日の半分くらいは動けるよ。」日頃は高齢者ばかり相手にしてる先生に言われて、やっぱりーってなった。以前にも同じことが2度ほどあった。ああ、こんな時に情けない。ちなみに、昨日の時点で坐骨神経にも少し痛みがでたのでヘルニアかもなって言われている。

いろいろしておきたかった準備ができないまま夜になった。テレビでは誰かが亡くなった話や、道路が壊れた話や、まだ動かない電車がある話をしてた。昼間缶詰になった友人はほとんど終電に近い時間に帰ってきた。現実感がないまま、寝ることにした。寝返りは超そっとしないと激痛がはしる有様だったので、家具の少ない部屋に寝かせてもらった。余震が少しあった。そのたびに超そろっと起き上がってみる。それ以上のことがなかったのは本当に幸いだ。

翌々日にはなんとか普通に歩き回れるように。100均でキーホルダーにつけられるLEDライト、スポーツ用の笛、箱入りのキャラメルを買って、家にあったバンドエイドなんかの衛生用品を足して防災ポーチを作った。避難リュックには衛生用品、メモ帳、ペットボトルの水1本、レジャーシートなど。地震から数日は毎日入れ替えてた。別途下にはジム用に使ってた靴と懐中電灯も入ってる。

いざっていう時の自分のポンコツぶり、悲しいけど身にしみました。自由に歩けて、ご飯が食べられて、電車が遅れずにきて、仕事の取引先にも連絡ができて、友達や家族がちゃんと家に帰ったか心配しなくてもいい生活は素敵です。本日のトップ写真は腰痛が癒えて哲学の道を歩いた際に撮ったあじさいです。きれいなものがきれいなままでいる生活は素敵です。

亡くなった方は私の家族だった可能性だってあった。日常に戻れないのは私だった可能性があった。そういうことを覚えておきながら、日々を過ごしたいと思います。被害にあった方々の日常が早く戻りますように。

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